根來継ぎ

日本
和歌山
根来

「日本和歌山根来にて、」

日本和歌山根来、この和歌山市内から約19キロに位置する紀ノ川沿いの地域は歴史を紐解けば、 ある時代、確かに文化を発信する地として隆盛を極めたことが伺える。

十六世紀のヨーロッパで発行された世界地図「メルカトル世界図」の日本には「Miaco(都)」と並び「Negra(根来)」と地名が書かれていることから、西洋圏にとっても重要な場所だったのでないだろうか。それは、「根来衆」と呼ばれる存在の力も大きかったのかもしれない。
「根来衆」とは、鉄砲で武装した僧兵たちであり、歴史のなか活躍した傭兵集団である。
歴史が詳しい方であれば、1542年頃にポルトガル人が持ち込んだ銃を元に本州最初の銃が根来で制作説はご存知だろう。
あるいは、東洋美術に知見があれば「根来塗り」という漆器の名前を聞いたこともあるだろう。約900年の歴史を持ち“漆器の祖先”とも言われる日本の塗装技法の一種だ。
1585年、豊臣秀吉の根来攻めにあたって、漆器職人達は海南黒江、輪島、薩摩等に移住して、漆器の技法を伝えたとされる。
文化の先端をいく根来も、戦国の時代の火によって灰燼と化した。約10万の秀吉軍により、その隆盛は根絶されてしまい、今では謎めいた土地として人々に語られるようになった。

和歌山根来から始まる文化の祭典「日本和歌山根来にて、」では、改めて日本文化を様々な視点から見て、共に考え、語る場として企画された座談会である。
おそらく、昔も根来の地では、様々な場所から人を呼び、共に学んでいたのだろう。
我々もそれに習い、「日本和歌山根来にて、」第一回目では、歴史、芸術、文化、祭りにまつわる事象について着目し、その道に生きる人々の声を聞くシンポジウムを開き、和歌山生まれの作家たちと県外の知識人や文化人と語り合うことで新たな文化の芽生えを担いたいと思う。

田中俊行
兵庫県神戸市灘区出身
怪談・呪物収集家。オカルトコレクターの肩書を持つ。稲川淳二の怪談グランプリ2013王者。怪談最恐戦2021優勝、四代目怪談最恐位。YouTubeチャンネル「トシが行く」のほか、TBS系「クレイジージャーニー」に出演するなどメディアやトークイベントなど多方面で活躍中。
著書『あべこべ』『紙呪い』(二見書房)、『呪物蒐集録』『神戸怪談』(ともに竹書房)のほか、共著に『ぼくと呪物の奇妙な生活』(漫画:オオイシヒロト/竹書房)がある。

永原レキ
1982年 徳島県海陽町生まれ
inBetweenBlues 代表
合同会社ミツグルマ 代表
環境省・自然共生サイト大使
海部轟神社総代 / 海部城満寺総代
千葉県城西国際大学/文化人類学部卒。在学中、全日本大学生サーフィン選手権大会で個人/団体優勝を達成。地元宍喰の海辺に構えた藍染スタジオiBBを拠点に活動。LexusNewTakumiProject2016の徳島代表として自身がプロデュースした、藍染のサーフボードがプロジェクトスーパーバイザーの小山薫堂氏より「注目の匠」として選出されるなど、徳島が世界に誇る阿波藍と海洋交易が紡いだ日本各地の伝統工藝や多様な文化産業の歴史探究、また地元神社寺院や農林水産・自然環境の保全継承を使命とし、それらを土台としたモノづくりやプロデュース業を実践。

中澤弘幸
1946年4月6日生まれ
一般社団法人 煎茶道 黄檗売茶流代表理事(おうばくばいさりゅう)
日本喜劇人協会最高顧問
包丁道 清和四条流 最高顧問
墨象家・大悲山 千手院 住職
河北山 臨済院住職
過去の活動内容
1970年  大阪万国博覧会にて仏教パビリオン(HIROYUKI)主催
1974年  オーストリア・ウィーン万国博覧会(WIG)JAPAN DAYプロデュース
1987年  周囲250kmを25万人の心で結ぶ、日本一大きな湖を舞台に世界で最も短いイベント『抱きしめてBIWAKO』提唱、実行委員長
1994年  アメリカ・ワシントンDC(全米さくら祭)ティー・インスタレーション
1995年  フランス・アルケスナン(世界文化遺産ラ・サリーヌ・ロワイヤル)ティー・インスタレーション
2017年・2018年  金閣寺・銀閣寺・伊勢神宮(春秋特別平安参賀)挙行
2019年・2020年  平安神宮・御室御所(仁和寺)にて京都西陣平安装束を纏い特別平安参賀を挙行

マエオカ テツヤ
1967年和歌山市生まれ
1989年芳文社新人ギャグ漫画展に入選、月刊マンガタイム誌にて「フクザツ・the・乙女心」で漫画家デビュー。
漫画家稼業の傍ら専門学校数校で講師を務め、サブカルチャー誌、アウトドア誌、情報誌等でエッセイ、コラムも執筆。
1998年に和歌山へUターン後、作家として二代目桂枝曾丸の「創作落語」や「和歌山弁落語」の制作を手がける。
2006年7月に出版した和歌山弁の解説書『持ち歩きペラペラ和歌山弁』はベストセラーになる。現在はニュース和歌山にて 「マエオカテツヤの妖怪大図鑑」 などの連載漫画やテレビ・ラジオに出演するなど多岐にわたり活動。

中山勝誠
1985年11月20日生まれ
2024年4月に東京から地元和歌山市和歌浦に戻る。和歌浦の街づくりの一環として活動を広げ今に至る。
和歌祭実行委員会   副実行委員長
和歌浦天満宮 青年部   部長
和歌の浦観光協会   副会長
海南craftsman   スタッフ

ひらのまり
1987年和歌山県岩出市根来生まれ
根來継ぎ作家
西洋から伝わってきたガラスの断片を継ぎあわせることで成り立つステンドグラス作品を2019年から制作。
その後、自身の出身地である和歌山の根来の漆器である根来塗りに着想を得て、「朱と黒の漆を掛け合わせた塗り」の技法に、金継ぎの金を加味して破壊された器を漆で継ぐ「根來継ぎ」という独自の技法を生み出す。
現在では、ステンドグラスの制作で培った「間」という概念に日本文化と自身の精神性を融合させた「根來継ぎ」を主体とした作品の制作を東京と和歌山で行っている。
展示経歴
2025年
邂逅 −根來と縄文− Mari Hirano ☓ Takuya Zaitsu Exhibition / 大阪 MUMEI gallery
2024年
根來継ぎ 個展「破壊と創造 すなわち伝統」 / 神楽坂 TRUNK(HOUSE)
2023年
黄檗売茶流 文化祭 2023 出展 / 黄檗山萬福寺
「根來継ぎ」初個展 / 大阪南港ATC デザイン振興プラザ

和歌山根來(ねごろ)から始まる文化の祭典
「日本和歌山根来」

日程

令和7年9月27日(土)

時間

開場:12:00   開演:13:00   終演:16:00

シンポジウム

お席代 3,000円
中学生以下無料   高校、大学生半額

会場

一乗閣(旧和歌山県議会議事堂)
和歌山県岩出市根来2347-22
電話:0736-61-1160

出演者

中澤弘幸 / ひらのまり / 田中俊行
マエオカテツヤ / 永原レキ / 中山勝誠

ご予約

一乗閣(旧和歌山県議会議事堂)

【会場へのアクセス】

◯お車でお越しの方
和歌山市より車で約30分 ※近隣に駐車場複数あり
◯電車とバス
JR和歌山駅から紀伊駅へ、紀伊駅前よりバス
(26系近畿大学行き、23系粉河駅前行き)に乗り根来で下車
根来から会場まで徒歩約15分

和歌山県文化振興事業補助事業

共催   和歌山市文化スポーツ振興財団
後援   和歌山県  和歌山市

お問合せ

根來継ぎ

「支配と無垢」

ひらのまり   根來継ぎ   和歌山城天守閣 展覧会

私は日本にある和歌山根来という場所から、たくさんの恵を受けて育ちました。

根来塗りという技術から着想を得て生み出した根來継ぎという技法は、根来の持つ風土の魅力を私なりに表現したくて生まれたものだと感じています。

人はあらゆる環境に身を置き、そして影響を受けて自分自身を形成し、そして個と個が集まり文化が生まれます。

人は無秩序のなかに秩序を見出し、素晴らしくも制約された世界の中で、ありのままを受け入れる為に学び、様々な事象を継ぎ、営みを保ちます。

本展覧会はひらのまりの生まれ故郷である和歌山県にて開催される初めての展覧会です。
自身のふるさとに想いを馳せ、支配され、無垢なる心で作りあげた作品群をどうぞご覧ください。

ひらのまり

日程

令和7年9月28日(日)  29日(月)

時間

9:00 〜 17:30(入場は 17:00 まで)
9/28(日) のみ夜間展示あり
17:00から22:00(入場は 21:30 まで)

入場料

大人 410円
小人 200円 (小・中学生)

会場

和歌山城 天守閣
和歌山県和歌山市一番丁3
電話:073-422-8979

和歌山城

【会場へのアクセス】

◯徒歩
JR和歌山駅より徒歩30分
◯バス
JR和歌山駅より和歌山城前まで約10分

お車でお越しの際は近隣の駐車場をお使いください

和歌山県文化振興事業補助事業

共催   和歌山市文化スポーツ振興財団
後援   和歌山県  和歌山市

お問合せ